【徹底解説】児童心理治療施設入所のメリットデメリット

2021年5月15日

こんにちは、ダメ夫です。

以前、長男が入所した「児童心理治療施設」について解説しました。

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今回は自分のケースをもとに、施設の入所で生ずるメリット、デメリットについて解説します。

施設への入所を考えている(迷っている)、不登校をなんとかしたい。

そういった方の参考になれば幸いです。

この記事の内容

  • 児童心理治療施設の入所によって生ずるメリット、デメリット
  • 入所するべきか

施設の利用について

施設について、ざっと説明します。

【対象は】原則、小学生から中学生までの心理的治療を要する子。

【経費は】保護者の所得に応じて県へ納めることになっています。

【利用は】市町村・子ども相談センターが相談窓口となります。 ご相談ください。

不登校など、心に不安を抱えている子どもの支援を行ってくれます。

ただし定員などがあり、無条件で入所できるわけではありません。

入所しなくても、通所という手段もあります。

目的

【心理治療】

入所中は臨床心理士によるセラピーを週一回行い、子どもの心理面での変化や成長を促すために働きかけます。

【生活支援】

児童指導員と保育士による、きめ細やかな生活支援の中で生活リズムの定着をはかり、子どもの達成感を育みます。

【教育支援】

小集団での教育支援を行っています。
職員と先生たちが協力し、学習面を支えています。

※児童心理治療施設のパンフレットより

メリット

メリット

  • 心理治療・カウンセリングが受けられる
  • 生活指導
  • 学習指導
  • 環境の変化による心理面の好転を期待

心理治療・カウンセリングが受けられる

担当のセラピストと個別に面接の時間が設けられています。

子どもが抱える問題の本質を見極め、本来の自分を取り戻せるよう取り組んでもらえます。

専門家ならではの切り口でアプローチします。

親が知らなかったこと、わからなかったことを面談の際、伝えきくことができます。

生活指導

本来なら親が主体となるはずの家庭教育です。

しかし、昼夜逆転で朝が起きられないなど、生活に問題を抱えている子どもも多くいます。

入所すればカリキュラムが強制的に適用されるため、規則正しい生活が身に付きます。

また、洗濯、掃除、食器洗いなど日常生活に必要なことも指導してもらえます。

一人立ちに必要な課題について、手助けがあるのはありがたいですね。

学習指導

少人数での学習になります。

それぞれの子どもの習熟度に合わせたきめ細かい支援が期待できます。

苦手な科目や課題でも基礎から学習できます。

ある意味、個人指導のような環境が用意されています。

環境の変化による心理面の好転を期待

心理的要因で集団になじめない。

友人関係、親子関係がうまくいかず悩んでいる。

そういった場合、生活環境を変えることにより心理面での好転が期待できます。

デメリット

デメリット

  • 外界との隔離
  • 自由の制限
  • 将来への影響が未知数

外界との隔離

まず一番に挙げるのが、「情報の少なさ」です。

高校進学に与える影響は大きいです。

学校なら、みんなで高校のランクや評判などの情報交換をすることでしょう。
同級生の兄・姉からの情報を仲間うちで展開する場合もあります。

施設ではそれができず、教師や職員からの情報のみで進路を決断することになります。

もうひとつ、「物足りなさを知ること」です。

同級生との切磋琢磨ができず、限られた人数の中での自己評価となります。

特に体育が顕著です。

施設では一番足が速くても、実際にはどれぐらいの位置にいるのかわかりません。

施設の目的は別なところにあるため、意識高めの子どもには物足りないと感じることでしょう。

お山の大将では困ります。

いざ、施設を出た後のギャップに戸惑うこともあるでしょう。

自由の制限

当然ですが、仲の良かった友達に会うことはできません。
電話やメールも禁止です。

外界とのコンタクトは基本的に全て許可制です。

そうした運用がしやすいように、施設の場所は少し寂しいところが多いですね。

将来への影響が未知数

これは誰にもわかりません。

人生で最も多感な時期に親元を離れ、施設で過ごすことの影響はどのように出るのでしょうか。

職員は、あまり心配ないと言っていましたが親としては気になります。

はっきりとわからないことの一つです。

影響が無いかもしれませんし、思いもよらない形で出るかもしれません。

あとがき

メリット、デメリットを羅列しました。

では、入所させるべきか?

私は反対です。

狭い世界しか知らない時間を長く過ごしてほしくないと思うからです。

私が一番ベストだと思った対応は「通所」です。

自宅から週に1回程度施設へ出向き、カウンセリング等を受けるスタイルです。

私の長男は中学3年生の12月に退所しています。
理由は物足りなさを知ってしまったから」です。

本人は施設の暮らしに「何か違うな・・・」と話していたそうです。

メリットよりデメリットの方が大きかったのだと思います。

退所後はもとの中学(原籍という)ではなく、市内の別の中学に転校しました。
そこで三学期を過ごし卒業、この春高校へ無事進学しました。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

-児童相談所
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